大阪には帰れなかった

ぽつり

明るくて、楽しかった。
あの頃の大阪は、思い出の中でちゃんと輝いている。


だからこそ、そこで仕事をすることなんて考えられなかった。
疲れた顔で歩く自分が、あの町に似合う気がしなかった。


東京なら、何もない。
何もなかった場所でなら、壊すものもない。
そう思って選んだだけだった。